日本抗ウイルス療法学会

会長挨拶

第32回日本抗ウイルス療法学会 学術集会・総会

会長:三隅 将吾

会 期:2024年8月29日(木)・30日(金)・31日(土)

会 場:熊本城ホール

2024年8月29日(木)から31日(土)にかけて、熊本城ホールで第32回日本抗ウイルス療法学会学術集会および総会を開催します。当学術集会・総会は、1990年に設立された抗ウイルス化学療法研究会を起源としており、今年で設立34周年を迎えます。今回の集会のテーマは「ウイルス性疾患対策の新章:新時代の予防と次世代抗ウイルス療法」です。

持続可能な開発目標(SDGs)の目標3では「エイズ、結核、マラリアおよび顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症およびその他の感染症に対処する。」という目標が設定されています。これらの感染症は伝播しやすく、対策には膨大な費用が必要です。また、国際協力が不可欠な地球規模の課題であり、特に開発途上国では、これらの疾患が個人の健康のみならず、社会経済発展にも重大な影響を及ぼしています。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、社会構造、医療システム、そして日常生活に前例のない影響を与えましたが、感染症対策と公衆衛生における新たな方向性を示しました。mRNAワクチンが従来のワクチンよりも迅速に開発と生産が可能であり、大規模なパンデミックの感染拡大を抑制できる新規モダリティーとなり得ることや、新型コロナウイルス感染初期における抗ウイルス療法の重要性を示し、単一の薬剤だけでなく、複数の抗ウイルス薬や免疫調節剤を選択できる治療戦略の重要性を再認識させました。将来的な新たなウイルスパンデミックへの備えとして、平時におけるウイルス性疾患対策の継続的な科学的探求とイノベーションが不可欠であるという認識を強める結果となりました。

日本抗ウイルス療法学会は、HIV、新型コロナウイルス、肝炎ウイルス、HTLV-Iなど、多岐にわたるウイルス感染症の研究および臨床に従事する専門家が一堂に会し、研究成果を共有する場を提供しています。ウイルス感染症の予防と治療は、ウイルスの拡散を防ぎ、人々の健康と安全を守る共通の目標です。この学術的交流は、その目標の実現に向けた重要な手段です。参加者の皆様に充実した学術交流の機会を提供できるよう、精力的に準備を進めています。多くの演題のご登録をお待ちしております。ぜひ、熊本でのご参加を心よりお願い申し上げます。